生活から見る産業医

 

産業医とは企業に在籍・勤務する医師の総称で、主にその企業の従業員の健康を支える役割を担います。
医師としての立場からアドバイスや指導を行いますが、通常の勤務医とは違って処方することはありません。

産業医は勤務医と違う点も多くあります。
特に異なるのが勤務時間でしょう。
産業医は従業員の出退勤に合わせるケースが多く、仮に一般従業員が9時~18時勤務の場合、産業医も同様に9時から18時まで働きます。
そのため、定時で帰宅しやすい点が産業医のメリットでもあります。

また、産業医は定時で帰宅する場合がほとんどで、残業を強いられることはありません。
当直や夜勤も存在せず、定時になればすぐに帰宅できます。
そのため残業手当は期待できませんが、これが勤務医には無い魅力とも言えるでしょう。

休日もその企業に勤務する従業員と同じです。
勤務日は月~金で、土日は休みのところが多くなっています。
休日出勤を強いられることもなく、土日はゆっくり羽を伸ばせることも産業医の特徴です。

給与面から見る産業医者

 

一方の給与面は、勤務医の水準に比べて少々低めです。
例えば大手企業で長年専属契約している産業医の場合、年収は1500万円以上もらえることも珍しくありません。
企業によって基本給が異なるほか、勤続年数や経験も大きな影響を与えますが、平均すると1200万円から1500万円になります。

ただし、嘱託契約となると年収は300万円から400万円と、大幅にダウンしてしまいます。
勤務医で言えば非常勤が嘱託契約に該当しますが、もし年収を期待するなら専属契約が適しているでしょう。

企業によっては退職金が支給されます。
ただし、支給の有無も企業によりけりで、勤続年数も金額に影響します。
産業医の給与は企業規模や経験など、様々な影響を受けやすく、勤務医より年収が下がるケースもあるので注意が必要です。

産業医になるためには?

 

一定規模の企業・事業所は、産業医の専任が義務付けられています。
そのため、産業医の募集を行っている企業も比較的多くある反面、産業医そのものの数は不足しているのが実情です。
逆に医師にとっては、産業医へ転職するチャンスが常にあると言えます。

産業医になるための条件は、現在医師であることと、産業医科大学の基本講座か課程修了者、あるいは日本医師会が実施する産業医学基礎研修を修了していることなど、いくつかの要件を満たす必要があります。
すぐ産業医として働くのは難しいため、まずは産業医科大学の講座や日本医師会の研修を受けることから始めましょう。

産業医のメリット・デメリット

 

産業医は様々なメリットとデメリットがあります。
特にメリットは生活面への恩恵が大きく、デメリットは給与面または雇用面での問題を抱えています。

〇メリット

  • ライフワークバランスを取りやすい
  • 残業や当直・夜勤がない
  • 休みを確保しやすい

×デメリット

  • 賃金や雇用形態の問題
  • 研修や講座の受講が必要

勤務医とは違い、ライフワークバランスを取りやすく、残業や当直がない点が産業医のメリットです。
休日もしっかり確保できますので、のんびり休んで趣味を楽しんだり家族サービスしたりできます。
体力的に勤務医の仕事が難しい方にも適しているでしょう。

その反面、産業医は年収が少し低いのがネックです。
ただし、専属契約であれば、勤続年数が長くなるほど勤務医並の年収を確保できます。

一方の嘱託契約は年収が低いため、これのみで生活することは非常に難しいと言えます。
また、産業医を始めるためには研修や講座の受講・修了が欠かせないため、転職するまでに時間がかかることもデメリットです。